2013年7月2日火曜日

何かと誤解の多い“防風通聖散”

お待たせしました今回は防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)です。
おそらくOTCの漢方薬では一、二を争う売上を誇ってきたと思われる処方です。
誤った使われ方も非常に多い処方です。
メタボの薬という捉え方は間違っていません。ただ、メタボなら誰でもという訳でもありません。
某メーカーの責任が大きいと思いますが、この薬は便秘薬ではありません。市場の大きい便秘薬であるかのようなイメージで宣伝されていたのは驚きでした。
便秘薬として漫然と続けている人がいたら即座にやめてください。どなたでも長期間の服用に耐えられる薬ではありません。
さて、効能ですが、
“体力充実して、腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちなものの次の諸症:高血圧や肥満に伴う動悸・肩こり・のぼせ・むくみ・便秘、蓄膿症(副鼻腔炎)、湿疹・皮膚炎、ふきでもの(にきび)、肥満症”
例によってまた体力・・・から始まっています。
体力が充実していれば結構なことです。
まぁ今回は大目に見て、疲れやすいとか、弱っているという事がないということで理解してあげましょう。
太っていること以外は特に異常を感じていなくていいです。
下痢症の人でなければ構いません。
食欲だけは異常にあるはずです。
平たく言えば元気なおデブさんを痩せやすくしてくれるお薬です。
高血圧や肥満に伴う・・・・・・便秘、は無視していいですね。動悸がするほどの高血圧、肥満だったら病院行ってください!

太るか痩せるかは、食べた量と運動量(代謝)のバランスです。
食べる量を減らすことは何より重要です。
しかし、人一倍食欲のあるこのタイプの人達が食べる量を減らすのは大変です。
同時にエネルギーを消費することも考えたほうがいいでしょう。
ここで、脂肪とは何かということです。
化学のお好きな方なら脂肪を燃やせば何になるかはご存知かと思います。
脂肪は炭素(C)と水素(H)と酸素が少々でできています。
脂肪が燃えるということは、
C-H+O=CO2、H2O
二酸化炭素と水になるということです。


食欲が減り、脂肪の燃焼が早まれば痩せます。
防風通聖散が行なっているのはまさにここのところです。
食欲旺盛な過剰な胃腸の働きを、冷やすことで抑えます。
(食欲が無い人が防風通聖散を飲むと胃腸を壊します)
脂肪の燃焼を助けるために二酸化炭素と水の排泄を助けます。
そのために汗をかきやすくし、尿を出しやすくします。

まとめると防風通聖散には、食欲が旺盛で、余り運動しないで太ってしまっている元気な人の、
胃腸を冷やして食欲をなくし、脂肪代謝によって生じる二酸化炭素と水の排泄をスムーズにする働きがあります。




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