2013年7月23日火曜日

熱中症の漢方薬:生脈散

今年は梅雨明けが早く、連日の猛暑が続いています。
この季節、特に心配なのが熱中症ですね。
熱中症は体内の熱がこもってしまい、身体の調整機能が失調することによって起きます。
この季節の不要な体内の熱は汗によって体の外へ放出されます。
この時重要なのは、水です。
漢方では人間の体内にある水を二つに分けて考えます。
一つは津(しん)、体にとって必要な大切な水です。
もう一つは液(えき)、これは基本的には不要になった排出される水。
あるいは体内で悪さをしている水(水毒)です。
汗は基本的には液です。
ところが、あまりに暑いと捨てるべき液が不足し、津までが排出されてしまいます。
傷津あるいは津液不足という状態です。


この時、単に水分を補給すれば良いというわけではありません。
むやみに水分補給すれば液ばかりが増えてしまい、相対的に津が不足してしまうことで不調になることもあります。
不要な液を増やすことなく津を増やす事が大切です。津を増やす事を生津と言います。
この生津を目的とした漢方処方が生脈散、あるいは生脈宝と呼ばれる薬です。
熱中症を気にして必要以上に水分を摂ると食欲がなくなり、かえって夏バテになります。
暑い場所での作業、スポーツをする人や、熱中症を心配する人は水分補給と一緒に生脈散を飲まれると良いでしょう。

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