2015年2月26日木曜日

めまいに苓桂朮甘湯

今回は苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)です。
いつものようにOTC漢方薬の効能効果を見てみましょう。“体力中等度以下で、めまい、ふらつきがあり、ときにのぼせや動悸があるものの次の諸症:立ちくらみ、めまい、頭痛、耳鳴り、動悸、息切れ、神経症、神経過敏”とあります。まず体力云々は毎度のことなので今回は触れないでおきます。“めまい、ふらつき”そうですね。苓桂朮甘湯といえば“めまい”の薬です。確かに目眩、立ちくらみに効きます。頭痛、耳鳴りにも有効な場合が多いです。




この効能で気になるのは、漢方薬とはいえ薬です。薬である以上その効果には裏付けというか、論理性というか、漢方理論に基づいて説明付けられる効果発現のメカニズムがあるわけです。そこで“のぼせ”ってなんでしょう。漢方でのぼせと言ったら、基本的には顔の火照り熱感を伴った状態です。苓桂朮甘湯の構成生薬はすべて温性です。熱感を伴う症状に対して温めて良くなることはありません。極めて重い病状の時は複雑なことも起きますが、苓桂朮甘湯は気力で乗り切れる程度の軽い病状にしか効果はありません。こうした浅い方剤は単純に温めるか冷やすかという明快な方向性の効果を発現します。のぼせてる人に使えば余計のぼせます。苓桂朮甘湯は冷えている体を温めて病気を治します。それと、体内の不要な水分を取り除くことで症状を改善します。苓桂朮甘湯が持っている効果はこれだけです。逆に言うと冷えて水はけが悪いために起きている症状は苓桂朮甘湯で改善します。めまい、ふらつき、耳鳴りの多くは水分代謝の悪さから起きます。一部の頭痛もそうです。動悸もありえますが、主症状はめまい、ふらつきのはずです。神経症、神経過敏は何でしょうね。可能性として考えられるのは茯苓(ブクリョウ)の代わりに茯神(ブクシン)を用いた場合でしょうが、エキス剤(錠剤・顆粒)の漢方薬ではありえない効果です。基本的に漢方薬の効能効果は臨床試験に基づいたわけではなく、過去の文献などをもとに一部の有識者が自由に決めたものであって、思い込みと言っても良いものまで効能に含まれている場合も少なくありません。苓桂朮甘湯が効くのは“寒虚証の方のめまい、ふらつき、耳鳴り、頭痛”と言ったところになります。あと、目が腫れぽったくなるような眼精疲労にも効果があります。

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