2013年8月25日日曜日

婦人科疾患の基本は四物湯

今回は四物湯(しもつとう)です。
いつものようにOTC薬の効能を見てみると
“体力虚弱で、冷え性で皮膚が乾燥、色つやの悪い体質で胃腸障害のないものの次の諸症:月経不順、月経異常、更年期障害、血の道症、冷え症、しもやけ、しみ、貧血、産後あるいは流産後の疲労回復”とあります。
ほぼその通りです。ですが、実際にこうした症状に四物湯を用いてもそれほど効かないというか、多くの場合、時間の無駄です。
四物湯が悪いんではなくて、四物湯は素晴らしい処方です。
ただ、これは始まりなんです。土台なんですね!


四物湯がしているのは“血を増やす”、それも肝血という非常に大事な血を増やすことだけです。肝血の不足で起きる症状は効能のとおりです。付け足すなら眼のかすみ・乾燥、めまい・ふらつきや、脱毛などです。
四物湯で原因・本質は改善されます。
しかし、症状の直接的な改善ができないので、
目的に合わせて四物湯+〇〇湯という形で用いると良いです。
例えば生理不順で、遅れがちということであれば四物湯と補気・補陽作用のある人参湯や吐き気など胃腸症状を伴えば六君子湯を用いたり。
逆に経血量が少なく生理が早まるのであれば、気の巡りを良くしてイライラをなくす抑肝散を一緒に用いたりします。
この辺りはなかなか一般の方が判断するのは難しいかと思いますので、店頭やネットで専門家に相談すると良いでしょう。