2013年7月16日火曜日

抑肝散:もともとは子供の薬だよ

抑肝散(よっかんさん)です。
一般薬(OTC」の効能を見ると、
虚弱な体質で神経がたかぶるものの次の諸症:神経症、不眠症、小児夜なき、小児疳症
これは特に気になるところはないです。
この通りというか、これ以外の使われ方をしていることのほうが気になります。
まず、抑肝散を用いる状態は肝陰虚という状態です。
肝は精神的な問題を処理しているところと考えています。
陰虚ですから、肝の働きよりも肝そのものが衰弱している状態を指します。
“口や喉の渇き・身体の熱感・ほてり・のぼせ・ねあせ”と言ったことが特徴です。
つまり、まったく冷えていない、冷えを感じない体質であることが重要です。

肝が弱っているために、相対的にイライラしたり、落ち着かないといったことが起きます。
まだ身体が完成していない子供では、肝も未熟です。
そのために疳の虫、夜泣きといったことが起こります。
本来はそのためのお薬でした。
ですが、肝陰虚の状態であれば大人でも、イライラや不眠に効果があります。
まとめると、“抑肝散が向いているのは、全く冷えを感じない、冷え性ではない人で、
不眠症でも寝てしまえば途中で起きることはあまりなく、
疲れやすく虚弱な方だけど、足腰がだるいといったことはない。
イライラ感も周りに当たるような激しいものではない。”
こんなところでしょうか。
それから、抑肝散加陳皮半夏(よっかんさんかちんぴはんげ)と言う処方がありますが、抑肝散に小半夏湯を足したものです。吐き気や胃の不快感を伴う場合に使います。
そうでなければ、基本的に構成生薬が少ないほうが良く効きますので抑肝散を求めたほうが良いでしょう。
それから、アルツハイマー症に良いと時折話題になりますが、漢方的、中医学的に根拠は見いだせません。このことはまた別のところに書きます。

0 件のコメント:

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。