2013年9月3日火曜日

ドキドキに柴胡加竜骨牡蛎湯

今回は柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)です。
メンタル系の症状によく使われる処方ですが、もともとは風邪や伝染性の発熱性疾患の治療を誤り長引かせ自律神経に異常をきたしたような症状に使われていました。
現在では不眠は情緒不安などに用いることがほとんどです。
いつものように効能を見てみると“体力中等度以上で、精神不安があって、動悸、不眠、便秘などを伴う次の諸症:高血圧の随伴症状(動悸、不安、不眠)、神経症、更年期神経症、小児夜泣き、便秘”
体力中等度ですか・・・例によって意味不明どころか虚証用の方剤ですから体力低下あるいは消耗状態に使います。
効能にある病名、症状は大体これで良いんですが、便秘を目的に使うことはないでしょう。高血圧である必要もないです。
“精神不安・動悸・不眠・神経症・更年期障害・小児夜泣き”ってところで良いでしょう。


体質的な前提を加えると、
熱虚証用の方剤ですので、「喉の渇き、ほてり、のぼせなどを感じることがあり、暑がりで食欲はあり、どちらかと言うと便秘がちでイライラしやすく気が散りやすい人の不安・不眠・動悸・神経症・更年期障害・自律神経失調症」ということになります。
竜骨と牡蛎は、重鎮安神薬と言われ、気持ちを落ち着かせる働きがあります。
落ち着かせると言ってもお酒や精神安定剤のように意識レベルを落とすということではありません。
ちょうど散らかっている部屋を片付けるようなもので、あちこちにあるものを一箇所にまとめる。あるべきところに戻すという感じです。
あれやこれや余計なことに気が散ったり、つぎつぎ色んな事が頭に浮かんで落ち着かないといった状態のときに、気持ちを一つにまとめてくれる働きです
いろいろ考えてしまって眠れない等という時もこれに当たるでしょう。
飲んではいけないのは、寒証の人です。
冷えを感じたり寒がりの人は飲まないでください。具合悪くなります。
それから何年間も続けて飲む処方ではありません。
数週間か数ヶ月で改善されるはずです。それで効かなければ他の処方を考えましょう。
また、あっているからと言って漫然と続けないようにしてください。

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