今回は柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)です。
メンタル系の症状によく使われる処方ですが、もともとは風邪や伝染性の発熱性疾患の治療を誤り長引かせ自律神経に異常をきたしたような症状に使われていました。
現在では不眠は情緒不安などに用いることがほとんどです。
いつものように効能を見てみると“体力中等度以上で、精神不安があって、動悸、不眠、便秘などを伴う次の諸症:高血圧の随伴症状(動悸、不安、不眠)、神経症、更年期神経症、小児夜泣き、便秘”
体力中等度ですか・・・例によって意味不明どころか虚証用の方剤ですから体力低下あるいは消耗状態に使います。
効能にある病名、症状は大体これで良いんですが、便秘を目的に使うことはないでしょう。高血圧である必要もないです。
“精神不安・動悸・不眠・神経症・更年期障害・小児夜泣き”ってところで良いでしょう。
体質的な前提を加えると、
熱虚証用の方剤ですので、「喉の渇き、ほてり、のぼせなどを感じることがあり、暑がりで食欲はあり、どちらかと言うと便秘がちでイライラしやすく気が散りやすい人の不安・不眠・動悸・神経症・更年期障害・自律神経失調症」ということになります。
竜骨と牡蛎は、重鎮安神薬と言われ、気持ちを落ち着かせる働きがあります。
落ち着かせると言ってもお酒や精神安定剤のように意識レベルを落とすということではありません。
ちょうど散らかっている部屋を片付けるようなもので、あちこちにあるものを一箇所にまとめる。あるべきところに戻すという感じです。
あれやこれや余計なことに気が散ったり、つぎつぎ色んな事が頭に浮かんで落ち着かないといった状態のときに、気持ちを一つにまとめてくれる働きです。
いろいろ考えてしまって眠れない等という時もこれに当たるでしょう。
飲んではいけないのは、寒証の人です。
冷えを感じたり寒がりの人は飲まないでください。具合悪くなります。
それから何年間も続けて飲む処方ではありません。
数週間か数ヶ月で改善されるはずです。それで効かなければ他の処方を考えましょう。
また、あっているからと言って漫然と続けないようにしてください。
2013年9月3日火曜日
2013年7月16日火曜日
抑肝散:もともとは子供の薬だよ
抑肝散(よっかんさん)です。
一般薬(OTC」の効能を見ると、
虚弱な体質で神経がたかぶるものの次の諸症:神経症、不眠症、小児夜なき、小児疳症
これは特に気になるところはないです。
この通りというか、これ以外の使われ方をしていることのほうが気になります。
まず、抑肝散を用いる状態は肝陰虚という状態です。
肝は精神的な問題を処理しているところと考えています。
陰虚ですから、肝の働きよりも肝そのものが衰弱している状態を指します。
“口や喉の渇き・身体の熱感・ほてり・のぼせ・ねあせ”と言ったことが特徴です。
つまり、まったく冷えていない、冷えを感じない体質であることが重要です。
肝が弱っているために、相対的にイライラしたり、落ち着かないといったことが起きます。
まだ身体が完成していない子供では、肝も未熟です。
そのために疳の虫、夜泣きといったことが起こります。
本来はそのためのお薬でした。
ですが、肝陰虚の状態であれば大人でも、イライラや不眠に効果があります。
まとめると、“抑肝散が向いているのは、全く冷えを感じない、冷え性ではない人で、
不眠症でも寝てしまえば途中で起きることはあまりなく、
疲れやすく虚弱な方だけど、足腰がだるいといったことはない。
イライラ感も周りに当たるような激しいものではない。”
こんなところでしょうか。
それから、抑肝散加陳皮半夏(よっかんさんかちんぴはんげ)と言う処方がありますが、抑肝散に小半夏湯を足したものです。吐き気や胃の不快感を伴う場合に使います。
そうでなければ、基本的に構成生薬が少ないほうが良く効きますので抑肝散を求めたほうが良いでしょう。
それから、アルツハイマー症に良いと時折話題になりますが、漢方的、中医学的に根拠は見いだせません。このことはまた別のところに書きます。
一般薬(OTC」の効能を見ると、
虚弱な体質で神経がたかぶるものの次の諸症:神経症、不眠症、小児夜なき、小児疳症
これは特に気になるところはないです。
この通りというか、これ以外の使われ方をしていることのほうが気になります。
まず、抑肝散を用いる状態は肝陰虚という状態です。
肝は精神的な問題を処理しているところと考えています。
陰虚ですから、肝の働きよりも肝そのものが衰弱している状態を指します。
“口や喉の渇き・身体の熱感・ほてり・のぼせ・ねあせ”と言ったことが特徴です。
つまり、まったく冷えていない、冷えを感じない体質であることが重要です。
肝が弱っているために、相対的にイライラしたり、落ち着かないといったことが起きます。
まだ身体が完成していない子供では、肝も未熟です。
そのために疳の虫、夜泣きといったことが起こります。
本来はそのためのお薬でした。
ですが、肝陰虚の状態であれば大人でも、イライラや不眠に効果があります。
まとめると、“抑肝散が向いているのは、全く冷えを感じない、冷え性ではない人で、
不眠症でも寝てしまえば途中で起きることはあまりなく、
疲れやすく虚弱な方だけど、足腰がだるいといったことはない。
イライラ感も周りに当たるような激しいものではない。”
こんなところでしょうか。
それから、抑肝散加陳皮半夏(よっかんさんかちんぴはんげ)と言う処方がありますが、抑肝散に小半夏湯を足したものです。吐き気や胃の不快感を伴う場合に使います。
そうでなければ、基本的に構成生薬が少ないほうが良く効きますので抑肝散を求めたほうが良いでしょう。
それから、アルツハイマー症に良いと時折話題になりますが、漢方的、中医学的に根拠は見いだせません。このことはまた別のところに書きます。
2013年6月2日日曜日
あれこれ思って落ち着かないなら桂枝加竜骨牡蛎湯
今回は桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)です。
いつものように効能書きをみてみると、“体力中等度以下で、疲れやすく、神経過敏で、興奮しやすいものの次の諸症:神経質、不眠症、小児夜泣き、夜尿症、眼精疲労、神経症”
また体力中等度などという客観的には捉えようのない表現が使われています。早く改善してほしいものです。
虚証用の方剤でもあり、虚弱な人にしかむかない処方です。元気で活動的な人が眠れないとしても効きません。
処方名からも判るように桂枝湯(正確には桂枝加芍薬湯)に竜骨と牡蛎を加えた方剤です。
残念ながら竜は実在しませんので、竜骨は竜の骨ではなく牛や鹿などの哺乳動物の骨の化石です。牡蛎は、そのまま牡蠣(かき)の貝殻です。
カルシウムの鎮静作用は広く知られていますが、竜骨と牡蛎は重鎮安神薬と呼ばれ、精神を鎮め安んじる働きを持ちます。
しかし、精神安定剤のようにボンヤリさせ眠くさせるのとは違います。
イメージとしては、あちこちに散らばっているものを一箇所にまとめる働き、
あれこれと思い、いろいろなことを考えてしまい集中できないでいる状態を、その時にあるべき状態に精神をまとめてくれる働きをします。
眠れないという状態は、あれこれと頭に浮かび眠ることに集中できない状態です。
あれこれ気が散って落ち着かない状態もそうです。
まとめてみますと、桂枝加竜骨牡蛎湯は虚弱で疲れやすい寒がりな人の、あれこれ考えて落ち着かず、ちょっとイライラしたりビクビクしてしまう時や、いろんなことが頭に浮かび眠ることができないといった症状を改善してくれます。
秀峰堂中医学研究所
いつものように効能書きをみてみると、“体力中等度以下で、疲れやすく、神経過敏で、興奮しやすいものの次の諸症:神経質、不眠症、小児夜泣き、夜尿症、眼精疲労、神経症”
また体力中等度などという客観的には捉えようのない表現が使われています。早く改善してほしいものです。
虚証用の方剤でもあり、虚弱な人にしかむかない処方です。元気で活動的な人が眠れないとしても効きません。
処方名からも判るように桂枝湯(正確には桂枝加芍薬湯)に竜骨と牡蛎を加えた方剤です。
残念ながら竜は実在しませんので、竜骨は竜の骨ではなく牛や鹿などの哺乳動物の骨の化石です。牡蛎は、そのまま牡蠣(かき)の貝殻です。
カルシウムの鎮静作用は広く知られていますが、竜骨と牡蛎は重鎮安神薬と呼ばれ、精神を鎮め安んじる働きを持ちます。
しかし、精神安定剤のようにボンヤリさせ眠くさせるのとは違います。
イメージとしては、あちこちに散らばっているものを一箇所にまとめる働き、
あれこれと思い、いろいろなことを考えてしまい集中できないでいる状態を、その時にあるべき状態に精神をまとめてくれる働きをします。
眠れないという状態は、あれこれと頭に浮かび眠ることに集中できない状態です。
あれこれ気が散って落ち着かない状態もそうです。
まとめてみますと、桂枝加竜骨牡蛎湯は虚弱で疲れやすい寒がりな人の、あれこれ考えて落ち着かず、ちょっとイライラしたりビクビクしてしまう時や、いろんなことが頭に浮かび眠ることができないといった症状を改善してくれます。
秀峰堂中医学研究所
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