2014年12月16日火曜日

麻黄湯=インフルエンザ?

今回は麻黄湯(まおうとう)です。風邪の漢方薬の基本であり、この処方から様々な方剤が作られていますが、今回は麻黄湯の本来の使用法、効果について書いてみます。最近よくインフルエンザに麻黄湯やら、子供の風邪に麻黄湯のような用いられ方を見かけます。それで良い場合もありますが、単純に=(イコール)で結び付けられるものではないので、注意は必要ですし、一定の危険も含んでいます。まずいつものようにOTC漢方薬の効能効果を見てみますと“体力充実して、かぜのひきはじめで、寒気がして発熱、頭痛があり、せきが出て身体のふしぶしが痛く汗が出ていないものの次の諸症:感冒、鼻かぜ、気管支炎、鼻づまり”とあります。例によって体力云々ですが、おそらく殆どの人は風邪をひく時は、疲れていたり、食事が偏っていたりして体力が低下しているのではないでしょうか、体力が充実していれば免疫力も高く、そう簡単に風邪も引かないでしょう。これは漢方薬の添付文書にある効能、適応症を決めていく際に中心になった日本漢方の知識者たちが実・虚の意味を理解していなかったからに他なりません。実・虚は病勢であって病人の体力を表しているわけではありません。実は余分なもの、取り除くべき病邪にとりつかれている病気であって、病人の抵抗力、生体レベルは正常です。邪を取り除けば治る病態です。虚は、足りないものがあるために病気に陥っている状態であり、栄養や基礎疾患、ストレスなどにより免疫力、抵抗力など生体レベルが低下しているために病気になっていルのです。言うまでもなく実と虚の中間点が正常、つまり健康です。


さて、麻黄湯ですが、この処方は寒邪、風邪と言った病邪にとりつかれた病人から邪を取り除く薬です。つまり実の病気です。そして寒邪・風邪にとりつかれた際の症状は悪寒あるいは悪寒を伴う発熱、体のあちこちが痛むなどです。悪寒と体の痛み、これはインフルエンザにもよく見られる症状です。さてここで麻黄湯が使えるのは実証、つまり生体レベルが正常で病邪が取り付いている状態です。疲労感などはなく、だるいといった感覚も殆ど無い状態です。もし生体レベルが低下していると、かえって抵抗力や栄養吸収といった力を減じてしまうことになります。
子供の風邪ですが、麻黄湯を使うと言うことだと、元気な子ということになります。元気な子だって風邪は引きます。ただ、元気な子は代謝が活発であり、余分な熱生産が常に行われており、風邪を引いた場合に寒証ではなく、熱証の風邪(温病)にかかる可能性が高くなります。麻黄湯は寒邪を除く、つまり寒証の風邪を治す薬です。温病の場合は全く違う処方が使われます。




漢方薬を西洋医学の病名と=で結びつける事の問題について麻黄湯を例に書いてみましたが、もう一点、麻黄湯について書くなら、麻黄湯は咳止めです。悪寒やふしぶしの痛みで発熱もあるのなら、葛根湯で発汗解熱したほうが早いでしょう。麻黄湯の最大の特徴は杏仁ですから、強い寒気と関節痛があり咳を伴う初期の風邪に麻黄湯は適しています。

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