2014年9月15日月曜日

皮膚病にはとりあえず十味敗毒湯

今回は十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)です。これは江戸時代の著名な医師である華岡青洲によって考案された処方です。いつものようにOTC漢方薬の効能効果を見てみますと...
面白いことに二通りありますね。ひとつは体力中等度なものの皮膚疾患で、発赤があり、ときに化膿するものの次の諸症:化膿性皮膚疾患・急性皮膚疾患の初期、じんましん、湿疹・皮膚炎、水虫”となっていて、クラシエの量販店・一般的向けの商品とツムラ、松浦漢方などの商品に書かれています。
もう一つは“化膿性皮膚疾患・急性皮膚疾患の初期、じんましん、急性湿疹、水虫”と病名だけ書かれたものでクラシエの推進会商品(特定の店のみで、通販では買えません)とコタロー漢方の商品に書かれています。おそらく製造法の変更などの時に再承認を受ける際に取った簡略な効能だと思います。


ちなみに医療用の十味敗毒湯も全く同じ病名だけの適応になっています。
どちらが良いかといえば、“体力中等度なものの皮膚疾患で、発赤があり、ときに化膿するものの次の諸症”、この前提の部分は適正を欠いていると思いますので不要でしょう。まず、いつものとおりですけど体力中等度ってなんでしょ?握力何kgとか、50m走何病以内とかあるんでしょうか...
それに発赤は十味敗毒湯を用いる上で顕著な症状ではないです。化膿に関しても同じです。




八綱弁証で言うと寒実証用方剤ということになりますが、表面的な効果を狙っている方剤なのでこの病名だけの効能で用いて問題無いと思います。ただし慢性化していない軽症の皮膚疾患向きです。
華岡青洲の処方と言いましても、元になっている処方は明らかに荊防敗毒散です。この荊防敗毒散のエキス剤は販売されていなかったかもしれませんが、もともと有名な処方で、主に風邪薬として使われる機会が多いです。清熱作用と発散作用が主ですので、温病と言う悪寒の殆ど無い発熱を伴う風邪、あるいは化膿性の皮膚疾患で発熱を伴うような状態に適しています。
十味敗毒湯はこの荊防敗毒散から忍冬・金銀花と言った清熱剤を取り去ったものです。ですので、十味敗毒湯は強い炎症性の皮膚疾患には向きません。逆に炎症が少ないのに痒みがあるような皮膚炎・蕁麻疹には使いやすい処方と言えます。
実際に試したことはないのですが、軽い風邪のひき始めにも良いかもしれません。
まとめてしまうと、十味敗毒湯は慢性化していない、炎症を伴わない軽い皮膚のトラブルに用いる漢方薬であると言えます。


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