2014年6月23日月曜日

八味地黄丸

今回は八味地黄丸(はちみじおうがん)です。
今から25年ほど前、薬局を始めたばかりの頃に「はちみつがん下さい!」とお婆さんがやって来ました。「はちみつがん?蜂蜜丸?・・・あぁ八味丸ですね」
もともとは生薬の粉末を蜂蜜で練り固めた丸剤ですからあながち間違ってもいません。
現在、日本で販売されているOTC漢方薬にも、丸剤の物とエキス剤(生薬から煮だしたエキスを錠剤・顆粒にしたもの)とがあります。八味地黄丸の場合はもともとが丸薬ですので、基本的には丸剤のものを買われて飲んだほうが良いでしょう。ウチダ和漢薬や第一薬品工業から発売されています。


さて本題ですが、いつもの様にOTC薬の添付文書を見てみましょう。“体力中等度以下で、疲れやすくて、四肢が冷えやすく、尿量減少又は多尿でときに口渇があるものの次の諸症:下肢痛、腰痛、しびれ、高齢者のかすみ目、かゆみ、排尿困難、残尿感、夜間尿、頻尿、むくみ、高血圧に伴う随伴症状の改善(肩こり、頭重、耳鳴り)、軽い尿漏れ”とあります。
基本的に高齢者を対象とした薬ですから、虚弱で疲れやすいことが目安になります。漢方ではの衰え(腎虚)が老化であると考えます。八味丸は体、特に下半身を温めていく薬ですから、当然、冷えを感じる寒がりの人向きとなります。腎虚ですので、排尿の異常が起きることもあります。男性の場合だと前立腺肥大に伴う症状およびそのものに対する効果が期待できます。口渇は無視して良いと思います。
下半身の冷えと痛みは一定期間続けていけば効果があると思います。高齢者のかすみ目は白内障を意味していると思いますし、日本漢方では八味地黄丸が白内障に効果があると喧伝している時期がありましたが、腎虚の白内障は熱証ですので六味丸、正確には六味丸+枸杞子・菊花の杞菊地黄丸を使います。八味地黄丸は適しません。寒証の白内障であれば脾胃気虚が本質ですから補中益気湯などでしょうか・・・



耳鳴りは高血圧と関係なく老化からくるものであれば八味地黄丸が聞く場合はあります。肩こりや頭重を感じるような高血圧に使うことはないでしょう。四肢が冷えて末梢血流が悪いために測ってみたら意外と高いと言った高血圧に向いているかと思います。
手軽に老化予防の保健薬として用いて良い薬だと思いますが、熱証の方、つまり暑がりでのぼせやすいような方は逆効果ですので飲まないで下さい。

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