2014年4月14日月曜日

越婢加朮湯:急性の時だけですよ

今回は越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)です。
そんなに使われる機会が多い漢方薬ではないと思いますが、急性的はむくみや関節痛には早い効果があります。ただそれなりの注意も必要な処方です。
まずはいつものようにOTC薬の効能効果を見てみますと“体力中等度以上で、むくみがあり、のどが渇き、汗が出て、ときに尿量が減少するものの次の諸症:むくみ、関節のはれや痛み、関節炎、湿疹・皮膚炎、夜尿症、目のかゆみ・痛み”とあります。
例によって体力云々はいただけません。中等度ってどのくらいでしょうね・・・?
さて、この越婢加朮湯は疲れにくく普段から体が丈夫な人にだけ使います。疲れやすい。疲れているというだけで飲むべきではないと言えます。
薬の作用としては、余分な水分を取り除く働きです。不要な水が体に溜まっている。それが浮腫みです。関節に貯まれば腫れ・痛みが起きます。ここで大事なのは余分な水分を貯めこんでいるのか、上手く排泄できないために不要な水が残ってしまっているのかです。
前者であれば積極的に水を出してあげれば良いし、後者の場合はきちんと不要な水を出せるように元気づけてあげなければいけません。越婢加朮湯を用いるのは前者です。
積極的に水を出す、つまりそれなりに強い性質を持った生薬を使っています。
もう一度、効能効果に戻りますと、むくみがあり尿量が減少。水が出て行かないということです。のどが渇き、この越婢加朮湯は体を冷やす漢方薬です。喉が渇きやすく暑がりであることもこの処方を用いる条件になります。
汗が出て、なんでこんなこと書いているんでしょう?汗は関係ないですし、どちらかと言ったら汗が出にくいはずです。原典を読み違えているんでしょうね。
対象症状のむくみ、関節の腫れや痛み、関節炎、湿疹・皮膚炎、夜尿症、目のかゆみ・痛みはこれで良いと思いますが、湿疹・皮膚炎は何でしょうか?蕁麻疹のようなたぐいでしょうね。

越婢加朮湯を飲む上での注意点は、まず普段から体が丈夫で疲れにくく暑がりであることです。それからもう一つ注意がありまして、この方剤は効き目は速いです。飲み始めてすぐ効果があるはずです。『使用上の注意』に1ヶ月以上服用しても良くならない時は医師、薬剤師に相談するとなっていますが、1ヶ月は長すぎです。もしこの薬が向かない、疲れやすい、あるいは冷えやすい人が1ヶ月も飲んでしまったら、体調はかなり悪くなり胃も痛むようになるかもしれません。3日飲んで何も変わらなければ向かないと思ってよいでしょう。
前述の丈夫で暑がりの人のむくみ・関節痛には非常によく効く薬です。タイプの合っている人は試してみてください。早い結果が出るはずです。

風邪で越婢加朮湯を使いたいという問い合わせを頂くことがありますので少し付け足します。越婢加朮湯は、越婢湯に朮を加えたものです(この朮については本来は蒼朮であるべきです)。越婢湯は風邪やインフルエンザに使われる麻黄湯の熱証版とも言えます。風邪のひき始めで、悪寒はなく熱感や喉の渇き、ほてりが強い時に用います。蒼朮が加わりますので、水分代謝異常の症状、つまり鼻水などの症状を伴います。ただ、現実的には使用機会は少ないかもしれません。

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