2014年3月3日月曜日

半夏瀉心湯

今回は半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)です。
この処方も正しくないというか、誤った使われ方がされていることが多いようです。
まずいつものようにOTC薬の効能効果を見ると“体力中等度で、みぞおちがつかえた感じがあり、ときに悪心、嘔吐があり食欲不振で腹が鳴って軟便又は下痢の傾向のあるものの次の諸症:急・慢性胃腸炎、下痢・軟便、消化不良、胃下垂、神経性胃炎、胃弱、二日酔、げっぷ、胸やけ、口内炎、神経症”とあります。これもかなり訳の分からない効能効果になっています。これを一般の方が見てちゃんと使えるとは思えません。
まず、みぞおちのつかえ感は半夏泻心湯を使う上で欠かせない条件です。この処方の主剤をなしている黄連と黄芩の組み合わすは‘みぞおち’近辺、胸からへその上辺りにかけての不要な熱を冷ましてくれます。急性胃腸炎の場合は悪心・嘔吐を伴っているはずです。嘔吐する場合は食後すぐです。食欲がないとは限りません。お腹が鳴る必要はありません。軟便・下痢はこの半夏瀉心湯の主たる治療対象です。
胃下垂、神経性胃炎は関係ないです。胃弱なら他の方法を考えましょう。どんな飲み方をすれば半夏瀉心湯が効く二日酔いになるのでしょうか、かき氷をつまみに熱燗かな...
口内炎に劇的に効くことがあります。ただ口内炎だからといって飲んでも殆どの場合は効かないでしょう。みぞおちのつかえと軟便下痢が最低条件です。
神経症?どれだけ神経症の範囲は広いのでしょう...


普通はいくらかましな医療用(医師が処方する)の効能効果も半夏瀉心湯ではほとんど同じです。漢方薬の場合は他の薬と違い臨床試験を行って適応症を決めているのでは無く、一部の意見、書物を参考にしているので、的確な効能効果を表示している薬ばかりとは限らない状況です。一時代前のように漢方薬が、特別な知識を持ったカウンセリング主体の専門薬局での販売が中心だった頃は問題はなかったのですが、ネットでの購入が主体になっていくと、パッケージに書かれた一言一句が大きな影響力を持つことになります。



さて、話を半夏瀉心湯に戻しますが、この処方の使い方を簡単に表すと、
“みぞおち辺りに使え感があり、食欲があり喉が渇きやすく、悪心嘔吐を伴う軟便・下痢に効果があります。ただし慢性の軟便・下痢の場合は疲れやすく元気のない方に限ります”
こんな感じでしょうか、
あと、付け足すとすると、半夏瀉心湯は熱証用の方剤です。もともと暑がりで食欲はあり、どちらかと言うと便秘しやすい体質の人向けです。このタイプの人が極端にお腹を冷やすような飲食をしたために急激に胃腸のバランスが崩れ下痢してしまった状態を治療するために作られた処方です。
普段から食欲がなく寒がりな人は全く向きませんので注意して下さい。

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