2014年2月18日火曜日

激しい咳に五虎湯!?

まだまだ風邪の季節も続きます。咳・風邪に関わる漢方薬をまたご紹介します。
今回は五虎湯(ごことう)です。
五虎湯は麻杏甘石湯という発熱・咳などに用いる漢方薬に桑白皮という咳を抑える効果のある生薬を追加したものです。
いつものようにOTC薬の効能効果を見てみると“体力中等度以上で、せきが強くでるものの次の諸症:せき、気管支ぜんそく、気管支炎、小児ぜんそく、感冒、痔の痛み”とあります。どうしてこういう事になったのか見当もつきませんが、“痔の痛み”って...もはや出鱈目の域ですね。冒頭に書いたように五虎湯は麻杏甘石湯に鎮咳効果のある桑白皮を加えただけです。麻杏甘石湯の効能は“気管支ぜんそく、小児ぜんそく”とだけなっています。これはこれで不十分ですが、一体何処から五虎湯が痔の痛みに効くなんて出てきたのでしょう。
漢方薬の効能効果の文言が決められた際の経緯を詳しく知るわけではありませんが、おそらく一部の無知な専門家と称する者の意見を取り入れたのでしょう。ここではこれ以上掘り下げませんが、こうした見当違いの効能が書かれて一般の人が手にする形で販売されていることに憤りを感じていることが、このblogを始めた一因でもあります。

さて、効能を初めから見てみましょう。何度も書いていますが体力は関係ありません。この場合、体力がある・なしと言うのは物差しとして間違っています。体について表すなら、丈夫であるか虚弱であるかというのが正しい尺度になります。しかしこれも曖昧な表現です。要は漢方で言う実と虚に関することです。
病気に対する抵抗性が強い人、抵抗性が強い時に病気になると、病気に対してより強い抵抗性、反発を見せるので、より激しい症状が現れます。実証の病態です。逆に病気に対する抵抗力がない人、抵抗性が弱い時に病気になると、病気に対する反応が弱く、激しい症状は病状の重さの割に出ません。虚証の病態です。
五虎湯は、この病気に対する抵抗性の強い状態で強い反応を示している時に用いるお薬です。病気に対する抵抗性が強い時は、一気に病気を追い出すために効果の激しい薬を使います。これを間違えて、抵抗性の弱い人に使ってしまえば、余計に弱ってしまいます。
ですから、五虎湯は激しい咳のとき、激しい咳をしている人に使います。コンコンと弱々しい咳をして眠れないとか言っている状態ではありません。ゲホンゲホンと煩くて周りが迷惑する咳です。
もう一つ大切なのは、暑がっていることです。五虎湯は清熱性のお薬です。冷え性や寒がりの人がこのタイプの風邪・咳になることは滅多にありません。
少なくとも喉が渇き、体が火照って熱いことが必須条件です。
喘息では発作止めとして使います。たとえ抵抗性の強い人でも長期間は飲めません。1週間を超えて続けることは基本的にありません。長く続けると食欲がなくなったり動悸がしたりしてくる可能性もあります。
まとめると、五虎湯は喉が渇き暑がっている人の、とても酷い風邪の咳や喘息の発作止めとして効果があります。

1 件のコメント:

  1. 見当違いではなく、きちんと根拠を持っているからこそ書かれた効能です。
    もっと掘り下げてお勉強なさってくださいませ。

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