2014年2月4日火曜日

風邪でも胃腸炎でも香蘇散

今回は香蘇散(こうそさん)です。
香蘇散は用途が広く安心して使える処方なので常備しておきたいお薬です。
まずはいつものようにOTC薬の効能を見てみましょう。“体力虚弱で、神経過敏で気分がすぐれず胃腸の弱いものの次の諸症:かぜの初期、血の道症”とあります。
毎度のことですが体力云々の表現は的確ではありません。疲れやすい、衰弱しているといった表現で虚証を表すべきです。ただ、香蘇散の場合は実証に用いても効果がありますので、この点は気にする必要もないです。大事なのは、体や内蔵を温めてくれる処方ですので、寒がりの人、冷えている人、あるいは冷えや寒さによっておきた病気に用いるお薬だということです。
香蘇散を一言で言うと、急性胃腸炎のお薬です。生の魚介類を食べ過ぎて胃腸が冷えたり、軽い食中毒になったような場合に用いるお薬です。お刺身のツマとして大葉(紫蘇の葉)が添えられていますが、香蘇散の蘇はシソの蘇です。シソの葉には解毒作用があることが知られています。
胃腸炎の症状の中では吐き気・嘔吐・食欲不振などに効果があります。下痢に対しては強い効き目はありませんが、ここのところ毎年冬に流行るノロウイルスなどに適した処方です。

本来、香蘇散は胃腸炎のお薬ですが、普通の風邪のひき始めにもよく効きます。悪寒から始まる風邪には葛根湯と変わらない位の発汗解熱作用を発揮します。
続けて飲んでも胃を痛めることもないですし、食欲も増しますので、葛根湯が飲めないような人にも使えます。また妊娠中でも服用できます。
効能の最後に血の道症とありますが、これはいわゆる更年期障害のことです。
ですが、これはちょっとどうでしょうね... 
メンタル的な部分では効果は有ります。

香蘇散は‘気’のお薬でもあります。香蘇散に含まれる香附子、陳皮は気の巡りを正してくれます。気の巡りが滞った状態を気滞、気鬱などといいます。
香蘇散はこの鬱な状態、気分の落ち込みを治す効果も持ち合わせています。
うつ病を治すというまではいきませんが、日常的な気分の落ち込みをスッキリさせるぐらいの効果は十分あるかと思います。
まとめてみますと香蘇散は、冷えや寒さ生ものの飲食による風邪(悪寒・発熱・頭痛・咳)、胃腸炎(吐き気・嘔吐)や、平素から寒がりな人の気分の落ち込み・食欲不振などの胃腸虚弱に効果があります
色いろ使い道のある良いお薬だと思います。
ただし普段から暑がりで冷たいものが大好きな人には使えません。
最後にもう一点、
香蘇散はもともとそれほど力のある方剤ではありません。OTC薬の香蘇散はエキス剤が大半ですが、本来の散剤(薬草の粉末で作ったもの)も販売されていますので、できればエキス剤ではなく本来の効果がある散剤をお使い下さい。(流通量は少ないですが杉原達二商店の香蘇散がお勧めです)

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